IoTやICTの取り組みとは？活用シーンを紹介

IoT（モノのインターネット）やICT（情報通信技術）の取り組みは、日々進化を遂げています。これらの技術は、私たちの生活やビジネスに革新的な変化をもたらしており、さまざまな分野での活用が広がっています。

IoTは、センサーやデバイスを通じて物理的な世界とデジタル世界を繋げ、データをリアルタイムで収集・分析することが可能です。一方、ICTは、情報のやり取りや管理を効率化し、コミュニケーションや業務のスピード向上を実現します。

本記事では、これらの技術がどのように活用されているのか、具体的なシーンを紹介します。

IoTとは

IoTとは「Internet of Things」の略称で、「モノのインターネット」とも呼ばれます。これは、モノ同士を情報技術で通信させたり、人とモノをインターネットでつなげたりする技術全般を指します。例えば、工場の機械をプログラムで制御し、効率的な生産管理を行うことが可能です。

また、ウェアラブルデバイスで得たデータをスマートフォンに送信し、健康管理に役立てることもできます。IoTは日常生活や産業分野で幅広く活用されています。

ICTとは

ICTとは、Information and Communication Technology（インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー）の略で、日本語では情報通信技術と訳されます。ICTは「人と人をつなぐ情報通信技術」を指し、最も一般的な例として、メールやSNSなどのコミュニケーションツールが挙げられます。

ビジネスの場面では、チャットツールやWeb会議などもICT技術を活用したツールに該当します。これらのツールは、仕事の効率化やコミュニケーションの迅速化に貢献しています。

ICTとIoTの違い

ICTとIoTは情報を伝達する点で似ていますが、大きな違いは「モノが関わるかどうか」です。ICTは人と人のコミュニケーションを前提とし、IoTはモノが主体となります。例えば、スマートデバイスで家電を操作するシステムは、人が操作しますが対象が家電であるためIoTに分類されます。

オンラインゲームは、通信を通じて人と人をつなぐ点でICTですが、ゲーム機同士がデータをやり取りする側面ではIoTの要素も持ちます。

ICTの活用シーン

ここではICTの活用シーンについて紹介していきます。

リモート会議やリモートオフィス

テレワークの推進により、リモート会議やリモートオフィスの導入が進んでいます。これらはインターネットを活用した典型的なICTツールであり、企業の業務効率化に貢献します。離れた場所や自宅からでも仕事に参加できるため、柔軟な働き方が可能になり、政府が推進する働き方改革とも相性が良いとされています。

そのため、多くの企業が積極的に導入し、従業員の生産性向上やワークライフバランスの改善を図っています。

事務作業の自動化

ICTツールの活用により、これまで人が行っていた単純作業や事務作業の自動化が進んでいます。例えば、決まったフォーマットの書類への記入作業や、営業支援ツールを活用したマーケティングの効率化などが挙げられます。

これにより、業務の正確性が向上し、作業時間の削減も可能になります。従来は手作業が必要だった業務も、ICTの発展によって自動化されつつあり、企業の生産性向上や働き方改革にも貢献しています。

勤怠管理や勤務状況の可視化

シフト表やタイムカードをインターネット上で管理するツールが登場し、社員の勤務状況をデータとして可視化できるようになっています。これにより、管理者はどこからでもリアルタイムでアクセスでき、シフト調整や勤務実績の確認が容易になります。

また、社員自身も勤務スケジュールを把握しやすくなり、業務の効率化につながります。さらに、働き方の分析が可能になり、労働環境の改善や適切な人員配置の実現にも寄与します。

顧客情報や商品情報のデータベース化

ICTのビジネス活用の一例として、顧客情報や商品情報のデータベース化があります。これにより、自社の商品を求める顧客層を分析し、新たな販路を開拓するツールが活用できます。また、商品情報を一元管理することで、在庫の最適化や物流の効率化が可能となります。

さらに、リアルタイムでのデータ更新により、迅速な意思決定ができる点も大きなメリットです。こうしたICTの導入は、企業の競争力強化や業務の効率向上に貢献します。

IoTの活用シーン

ここからはIoTの活用シーンについて紹介していきます。

工場の稼働データの可視化

IoTは工場管理に広く活用されており、設備の稼働状況を一元管理するシステムが代表例です。マシンの電力値を解析し、稼働状況をリアルタイムで把握できます。また、ガスや水、蒸気などのエネルギー使用量を可視化し、無駄を削減することも可能です。

さらに、無人工場では異常通知ランプの点灯をネットワーク経由で検知し、管理者に通知することで、迅速な対応を実現します。これらの技術により、工場の効率化が大きく進むでしょう。

農作物・農園のリアルタイム管理

農業用IoTにはさまざまな種類があり、特にデータ収集に優れています。気温や降雨量、湿度、風速、害虫の発生状況、土壌の成分など、農作業に必要な情報をリアルタイムで取得できます。さらに、収集したデータを活用することで農業の自動化が進み、作物の品質向上や収穫量の最適化が可能になります。

例えば、農家は遠隔地から土壌の水分や温度を監視し、精密な施肥計画を立てることができます。これにより、労力の削減や効率的な農業が実現します。

ドローンや自動運転による配送サービス

ドローン配送は、離島や山間部など陸路での輸送が困難な地域での活用が期待されており、特に医薬品や輸血用血液の迅速な輸送手段として注目されています。また、自動運転技術の進展により、2020年4月からは緊急時にドライバーが対応する「自律走行レベル3」が解禁されました。

自動運転では、センサーが収集したデータをAIが解析し、最適な運転を行います。これらのIoT技術は物流業界の人手不足や配送時間短縮に貢献すると考えられます。

スマホによるバスの運行状況の確認

走行中のバスがどのバス停へ向かっているのかをリアルタイムで確認できるIoT技術があります。バスに通信デバイスを搭載し、現在の走行位置や運行状況をサーバーへ送信することで、ユーザーに必要な情報を配信する仕組みです。

これにより、スマートフォンから運行状況の確認や忘れ物の問い合わせを迅速に行うことが可能になります。利便性の向上だけでなく、交通の効率化にも貢献する技術として注目されています。

まとめ

IoTやICTは、さまざまな分野で私たちの生活を支え、ビジネスの効率化に大きな役割を果たしています。IoTは、物理的なものをインターネットで繋げることで、リアルタイムでデータを取得し、分析や最適化を行います。

ICTは、情報伝達のスピードや業務効率を向上させ、遠隔でのコミュニケーションやデータ管理を可能にします。これらの技術が進化することで、未来の社会はさらに便利で効率的なものへと変わっていくでしょう。

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[取材・編集　KROW編集部]