事業再構築補助金:補助対象者の詳細とその適用基準

補助金・助成金

事業再構築補助金:補助対象者の詳細とその適用基準

事業再構築補助金と補助対象者の概要

事業再構築補助金とは

事業再構築補助金とは、中小企業等の「思い切った事業再構築」を支援することで、ポストコロナ等経営環境の変化に対応し、日本経済の構造転換を促進することを目的とした事業です。

出典:「事業再構築補助金の概要」令和5年8月31日中小企業庁

補助対象者とは

補助対象者とは、中小企業、中堅企業、個人事業主、企業組合等のうち、コロナの影響で厳しい状況にあるものを示します。この補助対象者のうち、事業再構築補助金採択への申請があり、同補助金審査委員の審査を通ったものが「補助金交付候補者」となれます。

申請枠は「成長枠」「グリーン成長枠」「サプライチェーン強靭化枠」「産業構造転換枠」「最低賃金枠」「物価高騰対策・回復再生応援枠」の6つが用意され、「成長枠」と「グリーン成長枠」の上乗せ枠として「卒業促進枠」と「大規模賃金引上促進枠」が設けられています。

但し、これらの枠は、採択状況や運用実績、その効果が常に調査・分析されて増減するため、申請前に「事業再構築補助金」のホームページ等での確認が必須です。

出典:「事業再構築補助金の概要」令和5年8月31日中小企業庁

補助対象者の適用基準

事業再構築補助金採択のためには、「全枠共通必須要件」と「枠ごとの必須申請要件」を満たさなければなりません。

「全枠共通必須要件」

全枠で望まれているのは、補助金が無駄とならない実現可能性のある適正な事業計画と、計画の誠実な実行による賃上げに結びつく成果です。このため、事業計画は、国の認定を受けた支援機関と業務として適正な事業計画を判別してきた金融機関の確認を受けることが必須となっています。さらに、事業計画に基づく補助事業終了後3年から5年で営業利益に人件費と減価償却費を足した「付加価値額」の増加が求められています。つまり、計画倒れとなった補助事業には補助金を支出しないことで、国家予算の無駄遣いが回避されているのです。しかも、求めているのは付加価値向上であるため、賃上げの原資となります。

「枠ごとの必須申請要件」

上乗せ枠としての「卒業促進枠」と「大規模賃金引上促進枠」以外には、枠ごとの必須申請要件として、達成すべき付加価値額の水準が3%から5%の間で定められています。

思い切った事業を展開する「成長枠」と「グリーン成長枠」の付加価値額は上限である4%から5%以上の達成が求められ、環境変化で困窮に陥った事業者をサポートする「産業構造転換枠」「最低賃金枠」「物価高騰対策・回復再生応援枠」の付加価値額は下限の3%以上の達成におさえられていることが、「枠ごとの必須申請要件」の特徴です。

その他の申請要件には、枠ごとの趣旨が反映されており、思い切った事業を展開する「成長枠」と「グリーン成長枠」、その上乗せ枠である「卒業促進枠」と「大規模賃金引上促進枠」には、事業終了後に実際に給与が上がることや事業規模拡大が求められています。

環境変化で困窮に陥った事業者をサポートする「産業構造転換枠」「最低賃金枠」「物価高騰対策・回復再生応援枠」では、市場規模減少や売上減少等、実際に事業が窮境した状況が求められています。

申請方法の補助対象者への影響と対策

補助対象者が事業再構築補助金を申請するには、実現可能性の高い適正な事業計画と金融機関等による計画への確認が必要です。しかし、補助金の交付を受けるにはさらに補助事業終了後に付加価値額を向上させなければなりません。そこで、ここではこれらを実現させる「事業計画作成」「金融機関の確認」「付加価値額を向上させる具体的な戦略」について、その影響と対策を解説します。

事業計画作成の影響と対策

(1)事業計画作成の影響

事業計画書の作成には時間とリソースが必要であり、特に小規模な中小企業ではそれが負担となる可能性があります。また、事業計画書の要求事項に応じるためには、中小企業の経営陣や従業員の能力や知識の向上が必要とされます。

(2)補助対象者が採るべき対策

・協力体制の構築

補助対象者は、事業計画書の作成に関する作業を内部で行うだけでなく、外部の専門家や支援機関との協力体制を構築することも重要です。外部からのアドバイスやフィードバックを受けることで、より優れた計画書を作成することが可能となります。

・ガイドラインや事例の活用

補助対象者は、制度が提供するガイドラインや事例を参考にしながら、自社の事業計画書を作成する際の手がかりとするべきです。これにより、適切なフォーマットや内容を把握しやすくなります。

金融機関の確認の影響と対策

(1)金融機関の確認の影響

金融機関の確認が必要とされることで、補助対象者にとっては追加の手続きと時間が必要となります。特に、補助金額が一定の金額を超える場合には、金融機関との面談や資料提出などが必要となるため、補助対象者のリソースや時間に影響を与える可能性があります。また、金融機関からの評価や確認結果によっては、補助金の申請が承認されない可能性も考えられます。

(2)補助対象者が採るべき対策

・資料の整備

金融機関との確認に必要な資料を事前に整備し、適切な形式で提出することが重要です。必要な書類やデータを整理し、タイムリーに提出することで、手続きのスムーズな進行を図れます。

・アドバイザーの活用

補助対象者は、金融機関との確認に関するアドバイスや支援を提供する専門家やコンサルタントを活用することが有益です。彼らの経験と知識を借りることで、手続きや準備に関する助言を受けられます。

付加価値額を向上させる具体的な戦略策定の影響と対策

(1)付加価値額を向上させる具体的な戦略策定の影響

補助対象者にとって、付加価値額を向上させるための具体的な戦略の導入は、業績や競争力の向上に直結します。しかし、新たな戦略や取り組みを導入するには、追加のコストやリソースが必要となるため、財務や経営に影響を与える可能性があります。

(2)補助対象者が採るべき対策

・リソースの最適化

戦略の導入にあたってリソースの最適化を図ることが重要です。予算や人員を効果的に配置し、負担を最小限に抑えながら取り組みを進める必要があります。

・パートナーシップの構築

戦略の導入にあたっては他の企業や組織とのパートナーシップを構築することも考慮すべきです。共同で取り組みを進めることで、リソースやリスクを分担し、負担を軽減することが可能となります。

・リスク管理の徹底

新たな戦略や取り組みを導入する際にはリスク管理を徹底する必要があります。リスクを適切に評価し、最小限に抑えるための対策を講じることが重要です。

まとめ

事業再構築補助金は、中小企業等の「思い切った事業再構築」を支援することで、ポストコロナ等経営環境の変化に対応し、日本経済の構造転換を促進することを目的とした事業です。しかし、補助金を受けるためには、適切な事業計画の作成、金融機関との関係構築、付加価値額を向上させる具体的な戦略の導入など、多くの要件を満たす必要があります。

これらの要件は一見難しそうに見えますが、適切なリソースの活用、専門家のアドバイス、リスク管理の徹底、パートナーシップの構築などを通じて、中小企業でも十分に対応することが可能です。また、補助金を活用することで、事業の成長や賃上げ、そして日本経済の構造転換に貢献することが期待できます。

「複業」をはじめよう!

KROWはこのようなご自身の持てる能力を広く社会に還元する(複業=Multiple job)意欲のある方をサポートしおつなぎしております。

現在会社員の方はもちろん、フリーランスの方、資格をお持ちの方、起業家の方など「真の意味の複業」を目指す人を募集しています!

[取材・編集 KROW編集部]

コメント

タイトルとURLをコピーしました