事業再構築補助金の事前着手届出制度について解説!第10回公募以降の注意点もあり

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事業再構築補助金の事前着手届出制度について解説!第10回公募以降の注意点もあり

ポストコロナ・ウィズコロナの時代を経て、苦境にあえぐ企業を支援するため、この数年事業再構築補助金が何度も公募されています。申請が認められれば支援を受けられる一方、公募開始から、経費を補助金の対象にできるまでには、少なからず時間がかかるでしょう。

しかし、事前着手届出制度を利用すれば、交付決定前に発生した経費についても補助が認められる可能性があります。この記事では事前着手届出制度について概要や注意点を解説します。皆様の一助となれば幸いです。なお、基本的にこの記事では第10回公募以降の内容を記載しています。

制度全体についておさらい

最初に事業再構築補助金制度全体の基本を解説します。

制度概要

コロナ禍により社会情勢は大きく変化しました。この結果、苦境に立たされた企業は少なくありません。事業再構築補助金制度とは、このような企業のうち、情勢の変化にあわせて思い切った事業内容の変革を目指す企業にその経費の一部を補助する制度として始まりました。

対象は主に中小・中堅規模の企業とされ、複数の応募枠が設定されています。応募枠は政府が指定する成長分野への進出や、環境問題対策、昨今の最低賃金上昇に伴う負担の軽減など、さまざまな条件が設定されています。

大まかなスケジュール

公募開始から実際に補助金が振り込まれるまでには数か月単位の時間が必要です。

例えば第10回の公募では、3月に公募開始、6月に応募締め切りとなりました。9月に採択結果が発表され、念願叶い、自分の会社が補助金の対象として採択された場合は、改めて交付申請を行います。交付申請から概ね1ヶ月程度で交付決定です。ここまでで公募開始から概ね半年程度要しています。

基本的に制度による支援の対象となるのは、この交付決定後の経費のみです。つまり、公募開始から半年以上先に発生した費用が補助の対象となります。

事前着手届出制度

上記の通り、本制度は公募開始から補助の対象となるまで時間がかかるのが一般的です。しかし、事前着手届出制度を利用し、この届出が認められた場合は例外となります。

補助金の交付が決定する前の経費でも補助の対象とすることができます。

事前着手届出制度の注意点

上記の通り、事前着手届出制度を利用すれば、通常ならば対象外である交付決定前の費用も補助対象とできます。ただし、この制度の利用には、条件や注意事項があるのです。

類型の制限

事業再構築補助金制度では複数の類型が公募されています。このうち、事前着手届出の制度を利用できるのは、最低賃金枠、物価高騰対策・回復再生応援枠で申請する場合のみです。

これらの類型が指定されているのは、近年の社会情勢が影響しています。コロナ禍による売上の落ち込みは以前より落ち着きましたが、日本国内での最低賃金の上昇や、物価の大幅な上昇の煽りを受けて、窮地に立たされている企業は少なくありません。

政府としてはこれらの企業に対し、支援を行うとともに、少しでも早く事業内容の改革を目指して欲しいという意図があります。

対象期間の制限

もしも事前着手届出制度の申請が認められても、無制限に過去に遡って費用補助を受けられるわけではありません。

2022年12月2日以降に発注、あるいは購入などの契約を締結した経費のみが対象です。

2022年12月1日以前の経費は認められません。

この対象期間や上述の類型の制限は第10回以降の公募で設定されました。

届出が受理されても補助金が交付されない場合もある

申請が受理された場合でも、補助金が交付されない場合があります。

事前着手届出制度の申請と事業再構築補助金制度そのものの申請は並行して行われます。採択審査に落選した場合は、仮に事前着手届出制度の申請が受理されていても、補助金は交付されません。

応募申請時と内容が一致しないと無効になる

事前着手届出制度と事業再構築補助金制度の各類型への応募は個別に行います。

この時にあらかじめ事前着手届出制度として応募した内容と、後から申請した内容に相違があると、せっかく先に届出申請が受理されていても無効となってしまいます。

引き続き事前着手届出制度を利用したい場合は再度申請しなければなりません。

補助対象は交付申請時に認められたものだけ

事前着手届出制度の申請が受理され、その後無事に事業再構築補助金制度の候補者に採択されたとします。この後に補助の対象となるのは、交付申請を行った際に認められた経費に限ります。

事前着手届出制度を利用するつもりであった費用でも、その後交付申請で他の経費だけが認められた場合、その費用について支援を受けることはできません。

事前着手届出制度 利用のコツ

上述の通り、事前着手届出制度には複数の注意点があります。これらを踏まえて実際に届出を行う場合のポイントを解説します。

届出前によく確認・相談する

事前着手届出制度の利用を検討する場合はあらかじめ公開されている要領をよく読みこんだり、不明点は問い合わせを行ったりして、制度をよく調べましょう。
公募回によっては応募枠が追加、減少、変更されていたり、条件が変わっていたりする場合もあります。

また、実際に補助金の申請を行う場合は、どの類型でも政府指定の認定機関による確認が必要となります。あらかじめ認定機関や専門家に相談した方がよいでしょう。

事前着手届出制度を利用しても、実際に補助対象と認められ、補助金が支給されるまでは時間がかかります。届出までの準備期間や費用を考慮すると、ベストなタイミングで補助を受けられなかったり、思ったほど費用を軽減できなかったり、となる可能性もあります。

状況によっては補助金を頼りにするより、手持ちの資産で事業の利益を増やしていく方法を検討した方が良いかもしれません。

採択後、交付申請前に申請する

上述の通り、事前着手届出制度で申請した内容と、事業再構築補助金制度の採択後の申請内容に相違があると、受理された届出は無効となってしまいます。

補助金制度の採択後に、申請内容を変更したい場合に備えて、採択後かつ交付申請前のタイミングで事前着手届出制度の申請を行うと良いでしょう。

まとめ

以上、事業再構築補助金制度における事前着手届出制度について解説しました。

補助金制度は複雑に条件やルールが定められており、公募回によって内容も都度変化します。制度利用の前によく調べ、専門家に相談することをおすすめします。

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