事業再構築補助金とは?採択事例とあわせて解説!

補助金・助成金

事業再構築補助金とは?採択事例とあわせて解説!

近年のCOVID-19 コロナウイルスの流行とそれに伴う社会構造の変化は、多数の企業に少なからぬ変化を与えました。新しい社会や生活様式の到来で、多額の利益を得て躍進した企業がある一方で、多くの企業や個人事業主が損失を受けたのです。

この記事ではそんなポストコロナ・ウィズコロナ時代の社会変化に対応するため、国が用意した支援制度である事業再構築補助金について、多数の事例と共に解説します。

事業再構築補助金とは?

最初に事業再構築補助金について概略を解説します。

制度の概要

事業再構築補助金制度は、COVID-19コロナウイルスの影響が長期化している状況を受けて、2021年4月に第一回の申請がはじまりました。

この制度は、感染拡大の影響で売上や利益が減少し苦境に立たされている事業者のうち、ウィズコロナ・ポストコロナの時代の変化に対応するため、思い切った事業再構築を目指す事業者に補助金を与え、支援するものです。

第一回の後も複数回公募が行われ、2023年6月までに少しずつ細かく制度内容を変えながら10回公募が行われています。

補助金の対象企業

補助金の対象となる企業は、中小企業および中堅企業のみです。資本金や従業員数が業種によって細かく定められています。

そして、売上がコロナ前と減少していることも条件です。申請前の直近6カ月の内、任意の3カ月の合計売上高が、2019年または2020年1~3月の同じ3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していなければなりません。

同時に事業計画書の提出も必要です。事業者自らが事業再構築指針に沿った事業計画を作成し、認定経営革新等支援機関の確認を受けなければなりません。

事業再構築の類型

事業再構築は次の5つの類型に分類されます。このいずれかの類型に該当する事業計画を、認定支援機関と策定する必要があります。

・新市場進出(新分野展開、業態転換)・・・新たな製品やサービスで新たな市場に進出する

・事業転換・・・自社の主な事業を転換する

・業種転換・・・自社の主な業種を転換する

・事業再編・・・事業再編を通じて新市場進出、事業転換、業種転換などを行う

事業再構築補助金の採択事例

それでは、実際に事業再構築補助金が採択された事例について、類型ごとに解説します。

新市場進出(新分野展開)の事例 

青森県青森市の株式会社ナチュールプロビジョンは、コロナ前までオリジナルのプリンの製造、直営店での販売、web通販やカフェ経営などが主たる事業です。

同社はコロナの長期化により、カフェと土産店の売上が40%減少してしまいました。

そこで、打開策として自社で活用してきた密閉性法の技術を使い、レトルト食品事業への進出を図ったのです。レトルト事業ではOEM生産に対応し、少数のロットから製造を計画している企業の依頼を受け、売上の大幅増を狙っています。このOEM生産への設備投資のため、補助金による支援が決定しました。

新市場進出(業態転換)の事例

埼玉県さいたま市で飲食業を営む株式会社ノースコーポレーションでは、県内で複数のイタリアンレストランを運営していました。食材は地元のさいたま市内産にこだわり、食材の生産者とともに商品開発や学校給食への提供も行っていました。

同社もその他の飲食業と同じく、コロナ感染拡大に伴う緊急事態宣言や会食自粛の影響で、売上が大幅に減少します。

この逆境を乗り越えるため、テイクアウトや宅配形式による小売業態への進出を目指しました。補助金を活用し、運営していたレストランを、地産食材のセレクトショップへと改装し食を通じた地域貢献を目指してます。

事業転換の事例

千葉県木更津市の有限会社ベアーズでは飲食店へ酒類の卸売を主要な事業としつつ、酒とオーガニック食品の小売店を運営していました。

酒類を取り扱う業態であるため、他の例に漏れず、コロナの影響で飲食店への販売は大幅に減少し、経営に深刻な影響が生じたのです。

同社はここで大胆な事業転換を決断し、卸売事業を譲渡するとともに、利益率の高い自社製品の酒類とオーガニック食品販売の小売業に注力することにしたのです。

結果、有限会社ベアーズは補助金の支援を受けつつ、店内にクラフトビールの醸造設備を設置した自然派食品店にリニューアルし、売上の上昇を目指しています。

業種転換の事例

大阪府大阪市の株式会社千成屋は、コロナ前まで黒門市場内に自社が所有しているビルへ飲食店などのテナントを入れ、不動産賃貸業を営んでいました。

立地の良さやインバウンドのおかげもあり、外国人観光客などでテナントが賑わっていたところ、コロナの感染拡大が始まりました。インバウンド客は皆無となり、テナントの飲食店は撤退し、売上が半減したのです。

そこで、同社は市場内の専門鮮魚店と提携し、回転寿司事業への進出を決断しました。不動産賃貸業から飲食業に業種転換したのです。補助金を店舗改装への資金に使い、大幅な売り上げ増を目指します。

事業再編の事例

奈良県吉野郡吉野町の株式会社北岡本店は長年酒類の製造、販売を主な事業としてきました。新商品開発にも力を入れており、近年は日本酒の他リキュール類にも力を入れています。

コロナの感染拡大により、主要商品である酒類は大きく売上が落ち込んだため、新分野への展開で事業再編を決断したのです。

同社は新たに開発・特許取得した「植物性乳酸菌」を武器に、健康志向飲料の開発と製造販売に乗り出すことにしました。これまでとは全く異なるマーケットに参加することで売上の増加を狙います。

まとめ

以上、事業再構築補助金について採択事例とともに解説しました。
実際に補助金を申請する際には、事業計画書の作成の他、各種条件が必要となります。

また、事業再構築補助金は公募の度に制度内容に変化が生じているので、よく調べて自社でも申請できるか確認してみることをおすすめします。

「複業」をはじめよう!

KROWはこのようなご自身の持てる能力を広く社会に還元する(複業=Multiple job)意欲のある方をサポートしおつなぎしております。

現在会社員の方はもちろん、フリーランスの方、資格をお持ちの方、起業家の方など「真の意味の複業」を目指す人を募集しています!

[取材・編集 KROW編集部]

コメント

タイトルとURLをコピーしました