請負契約で収入印紙が必要な場合や必要な金額とは?注意点もあわせて解説!

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請負契約で収入印紙が必要な場合や必要な金額とは?注意点もあわせて解説!

複業者として活動していく上で、個人事業主あるいは法人として、請負契約を締結するケースがあるでしょう。通常、契約書を取り交わす際に必要となるのが収入印紙です。

条件を満たした場合、必ず収入印紙を貼付する必要がありますが、正しく使用しないとペナルティが課せられる場合もあります。

この記事では請負契約における収入印紙の概要や金額、注意点などを解説します。複業者の皆さんの一助となれば幸いです。

収入印紙と請負契約の概要

まずは、収入印紙と請負契約の概要を解説します。

収入印紙とは、税金や手数料を納めた証明である

 収入印紙とは「文書を発行する際に、必要な税金や手数料を納めた」という証票です。

請負契約書、5万円以上の領収書、約束手形など、一定の文書は国から課税文書として指定されています。課税文書の発行時には、所定の税金を納めなければいけません。

日本では日々莫大な数の課税文書が発行されているため、もしも文書発行の度に納税の手続きを行うと、大変な手間がかかるでしょう。

手続きの代わりに納税者が収入印紙を購入し、文書に貼付・押印することで、必要な税金を納めたものとして取り扱います。

請負契約とは役務の完了が条件となる契約である

請負契約とは、役務提供型契約の一つです。

受注者が発注者に対して、広い意味での労働サービス(役務)の提供を約束します。そして、そのサービス(役務)の完了をもって報酬が発生します。

類似の役務提供型契約として、委任契約や準委任契約もあります。委任契約と準委任契約が役務の着手のみでも報酬が発生するのに対し、請負契約では役務の完了が報酬の条件となっている点が特徴です。

請負契約では、収入印紙が必要となるケースが多い

上述の通り、役務提供型契約には、請負契約のほかにも委任契約、準委任契約が存在します。サラリーマンやアルバイトなどの契約も雇用契約として役務提供型契約に分類されます。

しかし、これらの中で、印紙税法で収入印紙の貼付が義務付けられているのは、一定の条件を満たした請負契約の契約書のみです。

雇用契約、委任契約、準委任契約の契約書は非課税文書であるため収入印紙は不要とされています。

請負契約における収入印紙

それでは具体的に請負契約で収入印紙が必要となる場合やその金額を解説します。

請負契約で収入印紙が必要な場合は?

前述の通り収入印紙が必要となる場合は、印紙税法に定める課税文書を発行した時です。

請負契約においては、紙で契約書を発行した場合かつ、契約金額1万円以上の時に、貼付が必要となります。

貼付した収入印紙はかならず押印しなければいけません。押印がない場合、貼付された収入印紙は無効とされます。

請負契約で収入印紙が不要な場合は?

基本的に電子契約で請負契約を締結した場合、収入印紙は不要です。

電子契約とは、近年普及が進んでいるクラウド型の電子契約システムのほか、メール添付のPDFやFAXの注文書なども対象です。

また、紙で契約書を取り交わした場合でも、契約金額が1万円未満ならば収入印紙は貼付不要です。

請負契約における収入印紙税額

 収入印紙の金額は契約金額に応じて変わります。基本的に契約金額が高額となるほど、貼付する収入印紙の金額も上昇する傾向にあります。

以下、契約金額とそれに応じた収入印紙の金額の一覧表を記載します。

契約書に記載された契約金額貼付する収入印紙の金額
1万円未満非課税につき貼付不要
1万円以上、100万円以下200円
100万円を超え、200万円以下のもの400円
200万円を超え、300万円以下のもの1,000円
300万円を超え、500万円以下のもの2,000円
500万円を超え、1,000万円以下のもの1万円
1,000万円を超え、5,000万円以下のもの2万円
5,000万円を超え、1億円以下のもの6万円
1億円を超え、5億円以下のもの10万円
5億円を超え、10億円以下のもの20万円
10億円を超え、50億円以下のもの40万円
50億円を超えるもの60万円
契約金額の記載がないもの200円

収入印紙の注意点

次に、収入印紙を実際に使用するにあたっての注意点を解説します。これらの注意点を守らないと、ペナルティが課せられる場合があります。

収入印紙を貼付しなかったらどうなる?過怠金について

もしも収入印紙を貼り忘れた、あるいは意図的に貼付しなかった場合はどうなるのでしょうか。結論としては過怠金が課せられる可能性があります。

個人事業主や法人に税務調査が入り、契約書に収入印紙が貼られていなかったり、貼られている金額が本来の金額より少額であると判明したケースを考えます。その場合、過怠金として本来納付すべき金額の3倍の金額が課せられます。

例えば、契約金額700万円の契約について契約書を取り交わすならば、収入印紙1万円分を貼付しなければいけません。しかし、もしも収入印紙を貼り付けないと、この3倍の3万円が過怠金として課せられます。

仮に収入印紙が貼付されていて、押印がされていない場合も、同じく貼られていない場合と同様に過怠金が課せられます。

複業者の皆さんは、収入印紙の貼付ミスを減らせるようなチェック体制を構築したり、収入印紙が必要ない電子契約への移行を検討したりしてもいいかもしれません。

収入印紙は経費になるが、注意点もある

収入印紙は、個人事業主や法人における経費として処理が可能です。具体的には[租税公課]の勘定科目で処理します。 多額の収入印紙が必要となった場合には、忘れず経費として処理するようにしましょう。

ただし注意点もあります。収入印紙が経費として認められるのは、収入印紙を購入した際ではなく、収入印紙を実際に貼付・使用した時のみです。

会計上、収入印紙をすぐに購入して即座に使用した場合は[租税公課]の勘定科目で処理できます。しかし、収入印紙をあらかじめ大量に購入して、使用するまで時間がかかる場合は一旦[租税公課]ではなく[貯蔵品]として処理します。実際に使用するときに改めて[貯蔵品]から[租税公課]に仕訳を行うのです。

例えば、決算を前に少しでも利益を減らそうと収入印紙を大量に購入しても、その費用は経費としては認められません。もしも購入した分を全て経費として計上すると、税務署の税務調査で指摘を受ける可能性があります。

まとめ

以上、請負契約における収入印紙の概要とその金額、注意点を解説しました。

請負契約において収入印紙が必要となる場合、不要とされる場合、それぞれに条件があり、必要な金額も契約ごとに変動します。

 ペナルティを受けたり、本来ならば節税できる税金を支払ったりすることのないよう、収入印紙の制度をよく調べ理解し、契約に臨みましょう。

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