企業が副業人材を受け入れるメリットは?注意点もあわせて解説!
2018年に厚労省が副業解禁の方針を打ち出し、少しずつではありますが、副業人材と副業人材を活用する企業の数は増えてきています。この記事では、企業が副業人材を受け入れるメリットや、受け入れ時の注意点を解説します。副業人材活用を検討している企業の皆様の一助となれば幸いです。
副業人材を受け入れるメリット
まずは、企業が副業者を受け入れるメリットについて解説します。
必要な人材がすぐ手に入る
例えば、企業が自社に無い特定のスキルを求めたとします。未経験の自社社員にそのスキルを習得させるのは困難かつ時間やコストがかかります。
しかし、最初から企業が求めるスキルを持っていて、他社で活躍している副業人材を受け入れれば、必要なスキルがすぐに自社で活用できるのです。
社員のスキルアップにつながる
特定の高いスキルを持った副業者を受け入れることで、自社社員にとってもメリットがあります。副業者がそのスキルを社内で共有すれば、自社社員のスキルも上がるでしょう。
また、他社に出入りしている副業者と自社社員が業務を共にすることで、自社員も刺激を受け、社内に新しいイノベーションが生まれる可能性もあります。
人件費の抑制
副業人材を活用することで、人件費を抑制することも可能です。もしも企業が必要なスキルを持った人材や労働力を、都度正社員やアルバイトとして雇用した場合、採用コストや教育コストが発生します。
更には、企業は基本的に一度雇用した労働者について、本人が退職の意思表示をするまで雇い続けなければならないため、余剰となった人員にコストが発生し続ける可能性もあります。
この場合も、業務委託などの形式で副業人材を受け入れれば、教育コストを減らし、必要な人材を必要なタイミングで雇うことができるでしょう。
新しいビジネスパートナー
副業人材を受け入れることで、その人材のみならず新たなビジネスパートナーや人脈を得られる可能性があります。
これまで他社で活躍してきた副業人材ならば、自社には無い人脈や、コミュニティと接点を持っている場合もあるでしょう。自社にも顧客や協力業者など、新しいビジネスパートナーをもたらしてくれるかもしれません。
副業人材を受け入れる場合の注意点
これまで企業の副業人材受け入れのメリットを解説してきましたが、受け入れには注意が必要な点もあります。以下、副業人材を正社員やパート、アルバイトなどで副業人材を受け入れる場合の注意点を解説します。
労働時間
副業人材が他社でも自社でも、労働基準法の労働者として雇用されている場合、それぞれの労働時間を通算しなければなりません。
第三十八条 労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。
引用:労働基準法
副業人材が法定労働時間を越えて働いた場合、時間外手当を支払う義務が生じます。
社会保険
条件によっては、雇用した副業人材を社会保険に加入させなければいけない場合も発生します。
会社に雇用されている労働者は、月及び週の所定労働時間について正社員の4分の3以上勤務をしている場合、社会保険に加入しなければなりません。
そのため、受け入れた副業人材が条件を満たすと、社会保険加入の手続きが必要になるほか、自社がその労働者の社会保険料の一部を負担する義務が生じるため、大きなコスト増となります。
雇用保険
もしも自社での所定労働時間が下記の条件を満たす場合、雇用保険に加入させる必要があります。
・1週間の所定労働時間が20時間以上であること
・31日以上の雇用見込みがあること
一週間の法定労働時間は40時間なので、20時間以上、即ち自社での労働時間が長くなった場合は、雇用保険に加入させます。自社には雇用保険加入のための手続きの手間や、事業主負担分の雇用保険料の負担が発生します。
労災保険
本業、副業問わず、従業員を雇用した以上、労災保険には入らなければいけません。
そしてもしも自社で受け入れた副業人材に労働災害が発生したとします。
この場合、労働者が所属している会社の給与、つまり本業・副業両方で支給されている給料を考慮した上で、労災保険の給付金が支払われます。他社で労災が発生した場合でも、自社で労災給付に必要な手続きをしなければなりません。
現実的な副業人材受け入れ方法
上述の通り、他社で働いている従業員を、自社で副業人材として受け入れ雇用契約を結んだ場合、これらの注意事項が発生します。
そのため、副業人材を受け入れる際に最も現実的な方法は、雇用関係ではなく、業務委託の形式をとることです。個人事業主やフリーランスとして活動している副業人材と個別に、あるいは仲介者を通じて、請負契約や準委任契約を締結します。
業務委託の形式ならば上述した労働時間の管理や社会保険の加入義務は発生しません。ただし、副業人材の労働時間や労働環境については十分に注意を払いましょう。
まとめ
以上、企業が副業人材を受け入れるメリットと注意点を解説しました。
副業人材のメリットと、法制度をよく調べて、企業活動に有効に役立てていただければと思います。
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[取材・編集 KROW編集部]
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