業務委託契約書とは?
複業でビジネスをしている方にとって重要なのが、「業務委託契約書」の存在です。事業者が外部に業務を委託するときに作成することになります。
業務委託契約は、受託者がいい加減な業務をしたり、報酬面で揉めたりするなど、トラブルが後を絶ちません。最悪の場合、損害賠償に発展することもあります。
今回は業務委託契約において、このようなトラブルを未然に防ぐために、正しい業務委託契約書の書き方と注意点について解説していきます。
業務委託契約書を作成する目的
業務委託契約は契約書を交わさなくても契約を結ぶことができます。いわゆる「口約束」というものです。しかし、言葉で交わしただけでは証拠が残らない為、契約内容においてクライアントとワーカーが後からトラブルになる可能性が高くなります。
そこで、契約書という正式な書面の形で、契約内容を明らかにしておくことが双方にとって重要になります。
業務委託契約の詳細については、過去の記事で解説していますのでご参照下さい。
業務委託契約書の記載事項と注意点
ここからは、業務委託契約書に記載する内容と注意点を解説していきます。
主な記載事項
業務委託契約書については、依頼内容により内容は様々ありますが、一般的に記載すべき内容は以下の通りです。
- (1)契約の目的
委託者が受託者に向けて、業務を委託する為の目的を記載します。 - (2)委託契約の内容
委託する業務の内容を詳細に記載します。 - (3)委託料(報酬)、支払い条件
報酬の額と支払い時期について記載します。 - (4)成果物の権利
業務で発生した成果物の著作権、知的財産権は委託者、受託者のどちらに帰属するのか記載します。 - (5)再委託の可否
受託者が再委託をすることが可能かどうか明記します。 - (6)秘密保持
業務委託の過程で開示された情報の秘密保持について記載します。 - (7)禁止事項
業務をする上で、禁止されている事柄があれば記載します。 - (8)契約の解除
一方の当事者に契約違反があった場合等の契約の解除について定めます。 - (9)反社会的勢力の排除
業務委託契約の当事者の一方が反社会的勢力の属するときは相手方は直ちに契約を解除できることを定めます。 - (10)損害賠償
委託者、受託者に契約違反があった場合の損害賠償について定めます。 - (11)契約期間
業務委託契約の期間について定めます。
以上、一般的に記載すべき内容です。「業務委託契約書」のテンプレートはコチラのサイトからダウンロードできるので、ご参考にしてみてください。
作成時の注意点
業務委託契約書を作成するときの注意点について、クライアント側の視点から解説していきます。
①委託業務の内容をできる限り詳細に記載する
内容が曖昧で不明瞭なまま締結すると、トラブルに発展するケースも考えられます。いい加減なワーカーに当たってしまったときは、委託業務がすべて履行されるまではクライアントは報酬の支払いを拒むことができます。
②再委託にはメリット・デメリットがある
ワーカーが委託された業務を更に別の第三者に委託することを「再委託」といいます。それぞれの業務の工程を専門性で区分けすることによって、よりスピーディーな業務が可能となりますが、クライアントの意思が、末端まで伝わりにくいデメリットも存在します。
再委託を許可する場合は、慎重かつ綿密にワーカーと打ち合わせをするようにしましょう。
③報酬の支払方法・時期について明確な記述をする
最も多くトラブルが発生するのは報酬面についてです。ワーカーにとって、業務の対価ともなる報酬は、いい加減な対応では済まされません。
報酬の支払いはいつになるのか(納品検査合格時など)、支払い方法は一括なのか分割なのかなど、詳細かつワーカーが理解を得られるような内容を記載しましょう。
④当事者どちらかに一方的に有利な内容にしてはいけない
ワーカーが不正や契約違反をした場合は、損害賠償を請求できる場合があります。
この時、ワーカーに圧倒的に有利な契約を結んでいると、クライアントは被害を被ったのに損害賠償の点で不利になってしまいます。
どちらか一方が有利にならないよう、限定条件を設けないなど、対策が必要となってきます。
業務委託契約書の媒体について
業務委託契約書は、双方の相違があれば「電子契約」での締結が可能です。
紙媒体での契約書は、「印紙税」が必要になることが多いです。ペーパーレス化が浸透してきている企業も多いため、オンライン上での電子契約書をおすすめします。
印紙税は、紙媒体での契約書に必要なものなので、電子契約には印紙税がかかりません。契約書の印紙税の詳細については、国税庁のHPで条件が載っているので確認してみて下さい。
まとめ
業務委託契約書は、クライアントとワーカーそれぞれが円滑に業務を進めていくために非常に重要です。曖昧な内容であると後々トラブルに発展してしまいます。分かりにくい場合は、社内の法務担当者や弁護士などに相談するようにしましょう。
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[取材・編集 KROW編集部]
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