赤字の場合でも消費税はかかる?インボイス制度の影響も踏まえて解説
個人事業主や中小企業を経営している人は、赤字経営の厳しい状況に立っている方が多いかと思います。そういった状況下において、少しでも節税したいと考えますよね。
そこで、「赤字の場合、消費税はかかるのか?」という点から「インボイス制度と消費税の関係性」まで解説します。
個人事業主や中小企業の方に限らず、ビジネスマンなら知っておくべき消費税やインボイス制度の知識をご紹介しているため、ご参考になれば幸いです。
赤字の場合でも消費税はかかる?
個人、法人問わず、会社を経営している人にとって税金はなるべく抑えたいと考える人が大半でしょう。扱う金額が大きくなるほど、その分納税義務のある税金の額は大きくなります。
税金の額をなるべく減らすためには、様々な節税対策も存在するため、すでに行っている人も多いでしょう。
そんな中で、個人事業主や中小企業の中には、苦しい状況の経営が余儀なくされ赤字経営となっている現状もあります。
そういった苦しい状況の中で、赤字の場合に税金がかかるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
そこでこちらでは、赤字と税金の関係性を詳しく解説していきます。
赤字でも消費税の納税は義務
結論として、たとえ経営が赤字だったとしても消費税は納税しなければいけません。
後ほど詳しく解説しますが、税金には間接税と直接税というものが存在し、消費税が間接税に当てはまるため赤字であろうと関係がありません。
消費税は消費者から代わりに消費税を預かって納税する仕組みとなっており、商品やサービスに消費税の金額が上乗せされている形となっています。
つまり、消費者が支払うべき税金を代わりに納税するだけなので、経営側が赤字かどうかは関係ないことになります。
赤字と税金の分類
税金には、大きく「直接税」と「間接税」の2つに分類されます。
直接税:課税者が納付する
間接税:課税者ではない人が納付する
法人税や所得税などは直接税と分類され、消費税は間接税に分類されます。
赤字だと課税されない税金
赤字だと課税されない税金は、
・法人税
・法人住民税の法人税割
・法人事業税
などが挙げられます。
赤字でも課税される税金
赤字でも課税される税金は、
・消費税
・法人住民税の均等割
・一部法人の法人事業税
などが挙げられます。
インボイス制度導入による消費税の影響
こちらでは、インボイス制度に関する概要からインボイス制度の導入による消費税負担の影響まで詳しく解説していきます。
インボイス制度とは?
インボイス制度とは、適格請求書と呼ばれる新しい請求書を用いて仕入税額控除を受けるための制度です。
別名、適格請求書等保存方式とも呼びます。
2023年10月1日から導入される予定で、10月1日から対応できるようにするには3月31日 9月30日までに申請完了させておく必要があります。
ただし、適格請求書は課税事業者しか発行することができません。
そのため、免税事業者の方が適格請求書を発行したい場合は、課税事業者になる必要があります。
適格請求書とは?
適格請求書とは、正確な税率や消費税額を伝えることを目的として作られた新しい請求書です。
現在では、消費税率が複数存在しており、計算が複雑化しているため、不正やミスの原因になってしまっています。
そこで、新たに適格請求書を用いることで、正確でスムーズに計算ができるようにすることを目的に作られました。
適格請求書と従来の請求書との違いとしては、「登録番号」「適用税率」「消費税額等」の記載が追加されています。
インボイス制度導入による消費税負担の影響
インボイス制度の導入前であれば消費税を減らす様々な対策が行えました。
例えば、課税売上高を調整して、1,000万円未満に収まるようにすれば消費税の免除を受けることができます。
しかし、インボイス制度が導入されると、消費税の免除を受けられる=適格請求書を発行できない、ということになるため、仕入れ価格の値下げを求められたり、競合に取引先が流れてしまうなど、結果的に売上が減少してしまう恐れがあります。
また、法人成りによる消費税免除も、取引先が法人である場合、免税事業者だと売上に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、状況によっては課税事業者にならざるを得なくなり、消費税の負担は大きくなる場合があるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はインボイス制度と消費税の関係性について徹底解説しました。
状況によっては、免税事業者だった人でも課税事業者にならざるを得ない場合があります。
適切な判断ができるようにするためにも、消費税やインボイス制度に関する知識をしっかり理解しておくことが大切です。
本記事が少しでもお役に立てていれば幸いです。
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[取材・編集 KROW編集部]
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