役務の提供とは?業務内容や契約方法、課税の有無などフリーランス必見の基礎知識!
役務提供の基礎知識
役務(えきむ)の提供という言葉をご存知ですか?複業を行なっている方、これから複業を始めようと考えている方であればどこかで耳にした事がある言葉かもしれません。今行っている、今後行いたい複業が役務の提供に当てはまるかもしれません。その場合どの様に対応すればいいのでしょうか?
この記事では、業務内容は?契約方法は?など役務提供について、またその契約に関する基礎知識について解説していきます。
役務の提供とは
そもそも役務とは、他人のために行う労働やサービスのことを指します。
具体的にはどの様な労働やサービスが含まれるのでしょうか?
国税庁による「役務の提供」の定義は以下の通りです。
法第2条第1項第8号《資産の譲渡等の意義》に規定する「役務の提供」とは、例えば、土木工事、修繕、運送、保管、印刷、広告、仲介、興行、宿泊、飲食、技術援助、情報の提供、便益、出演、著述その他のサービスを提供することをいい、弁護士、公認会計士、税理士、作家、スポーツ選手、映画監督、棋士等によるその専門的知識、技能等に基づく役務の提供もこれに含まれる。
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shohi/05/05.htm
つまり、役務の提供を収入源とするということは、サービスの提供に対して対価を得ることを指します。この様なモノの販売ではなく、知識や技術、サービスの提供は有形物の取引がない場合でも、対価が発生しているため課税対象となり、消費税が課税されます。
とは言え、全てのサービスが課税対象となるわけではありません。
国が消費者の状況等、社会的な要因を配慮し、役務の提供でも非課税となるケースがあります。
以下が国税庁の定めた基準です。
しかし、利子を対価とする金銭の貸付け、信用の保証、保険、登記・検査・裁判などの公共サービスといった消費の性格になじまないサービスの提供のほか、一定の医療、教育といったサービスの提供は、国の社会政策上の配慮から非課税となっています。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6153.htm
役務提供型契約
役務提供型契約とはその名の通り労働やサービス、つまり役務の提供に関する民法上の契約です。
役務提供型契約には不動産取引に関する契約等、様々な契約が含まれますが、主に「雇用」「請負」「委任」の3つが柱になっています。
【雇用契約】
雇用契約は、組織や企業に所属し、定められた労働に対して報酬を受け取る契約方法です。パート・アルバイトとして非正規雇用で労働する場合も、この雇用契約に含まれます。雇用契約の場合、労働者は雇用者に指定された労働場所や労働時間を厳守する必要があります。その一方で、雇用契約を交わした場合、労働者は一定の基準を満たすと、有給休暇、残業代、社会保険が保証されます。また、雇用者の一方的な都合で簡単に契約を雇用者にとって有利な内容に変更したり、労働者を解雇したりすることは出来ません。
【請負契約】
請負契約では、成果物に対して報酬を受け取る契約方法です。この契約の特徴は、委託された業務を完了することが目的という点です。そのため制作の過程は報酬の有無に考慮されず、完成した成果物に対して報酬が支払われます。つまり、依頼された側は成果物を必ず決められた期日までに、契約通りの内容で納品する義務があります。
(例)アプリ開発、ホームページ開設、イベントの設営など
【(準)委任契約】
委任契約では、請負契約のように完成した成果物に対して報酬を受け取るのではなく、過程に対して報酬が支払われる契約です。契約内容に応じた労働時間や進行度合いに対して報酬を受け取るため、明確なゴールがあり、それを達成しなければ報酬を受け取れないというわけではありません。その為、例えばフリーランスのピアノ講師がコンクールに向けてピアノを指導している場合、生徒がコンクールで入賞することができなくても報酬を受ける義務があります。
※実際には法律行為に関わる業務を委任契約と呼び、法律に関わらない委任契約のことを準委任契約と呼びます。
(例)
委任契約:弁護士等
準委任契約:ECサイトの管理、コンサルタント業務、講師など
つまり複業を行う場合は、「請負契約」または「(準)委任契約」を結ぶ必要があります。
また、「請負契約」または「(準)委任契約」を結び、複業を行う場合、一定の収入を超えると確定申告を行う必要があります。確定申告とは、簡単に説明すると、収入と経費を元に自ら1年間の所得を算出し、所得税を納める手続きのことです。
まとめ
役務の提供とは知識や技術、サービスの提供のことを指します。役務の提供により報酬を受け取る場合には、「請負契約」または「(準)委任契約」を結ぶ必要があります。「請負契約」が成果物に対して報酬が支払われる契約である一方、「(準)委任契約」は委託された業務の遂行に対して報酬が支払われる契約です。委任契約は、法律行為に関わる業務を指し、それ以外の業務は準委任契約となります。有形物の取引がない場合でも、対価が発生する以上、課税対象となります。
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[取材・編集 KROW編集部]
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