厚生労働省による副業・複業促進の内容とは?現状から目的、今後の方向性まで徹底解説。
副業や複業という働き方をご存知でしょうか?
近年では、厚生労働省による副業・複業の促進が呼びかけられていますが、具体的な内容やその背景を知らない方も多いのではないでしょうか?
本記事では、厚生労働省による副業・複業促進の内容から現状や目的、今後の方向性まで解説します。
そもそも副業・複業とは?
副業とは「本業とは別に副次的(サブ)に行う活動」を指します。
それに対し、複業とは「本業・副業と区切らず、全てがメインとして複数の本業を行う活動」を指します。
副業と複業の違いとしては、「メインとサブを明確にするかどうか」という点もありますが、目的自体が異なる場合もあります。
例えば、副業は一般的に「収入アップ」が目的とされるのに対し、複業は「自己実現のため」「スキルの幅を広げる」など、収入アップ以外の部分も目的になる傾向にあります。
現代における副業・複業の現状
現代において、副業や複業が注目されるようになった背景として、2018年に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を整備したことで、企業だけでなく企業に勤める社員においても副業解禁の流れが一気に加速しました。
そして、厚生労働省は2020年9月に副業・兼業の促進に関するガイドラインを改訂し、企業や労働者に対して安心感をもたらすルールを明確化しました。
また、副業・兼業の促進に関するガイドラインの改定に伴い、モデル就業規則も副業・兼業についての記述を改訂しました。
その改訂内容としては、人事担当者がモデル就業規則を参考に、自社の就業規則に副業・兼業を取り入れる際の対応が容易になるという内容です。
しかし、副業・複業を容認する企業は増加傾向にありますが、依然として副業・複業解禁をしていない企業も少なくありません。
その理由としては、「人材流出のリスク」や「過重労働によるパフォーマンスの低下」などの懸念点から副業・複業解禁に踏み切らない企業が多いのも現状として挙げられます。
なぜ、厚生労働省が副業・複業を推進するのか?
厚生労働省が副業・複業を推進する理由として、以下が挙げられます。
・人生100年時代に向けて、自己実現を叶える働き方にする必要がある
・社会全体として経済の活性化や地方創生にも資する面がある
・収入増により、労働者の生活を豊かにする
これらを踏まえ、厚生労働省は「自己実現」「スキルアップ」「収入増」などの希望を持つ労働者に対して、雇用されない働き方を含め、その希望に応じて幅広く副業・複業を行える環境を整備することが重要であるという理由が背景として挙げられます。
また、それと同時に「長時間労働」や「労務提供上の支障・秘密の漏洩」などを招かないよう留意することも呼びかけています。
副業・複業に関わる管理
副業や複業に関わる管理においては、
・就業規則等の整備
・各種保険の見直し
・源泉徴収と年末調整
を確認する必要があります。
こちらでは、副業・兼業の促進に関するガイドライン|厚生労働省を参考に解説します。
就業規則等の整備
企業が副業や複業を容認する場合は、トラブルを回避するため、副業や複業に関する内容を就業規則に明確に示す必要があります。
厚生労働省のガイドラインによると、企業側が副業・複業を制限できるケースとして、以下のように示しています。
・労務提供上の支障がある場合
・企業秘密が漏えいする場合
・会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
・競業により、企業の利益を害する場合
副業や複業の禁止・制限をするためには、就業規則内に規定として設ける必要があるため、就業規則の見直しをするようにしましょう。
各種保険の見直し
「労災保険」「雇用保険」「社会保険」に関して、見直しの必要があるでしょう。
労災保険に関しては、本業先・副業先でどちらでも加入の必要があります。
次に雇用保険に関しては、所定労働時間が週20時間以上で、31日以上の雇用見込みがある場合には加入が必要になります。
最後に社会保険では、月の所定労働日数および週の所定労働時間が正社員の4分の3以上の場合に加入が必要になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は厚生労働省による副業・複業促進の内容から現状や目的、今後の方向性まで解説しました。
現代における人生100年時代では、働き方の考え方も捉え直す必要があるでしょう。
そのため、企業も労働者も今一度、副業や複業という選択肢を持ってみるのもアリかもしれません。
本記事が少しでもお役に立てていれば幸いです。
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[取材・編集 KROW編集部]
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